Nakamichi PA−70CE 修理記録
平成24年9月30日持込  11月9日完了
寸評 このAMPを使用している方は、SP出力にDC漏れがあり、SPがダメージを受ける為、改造が必要です
    アースラインが浮いています
    よって、AMPのシャーシにSPの線(アース側)や入力のRCAプラグのアース側も接続してはいけません
    RL(左右)SPのアース線も接続(共通)してもいけません
A. 修理前の状況
  • 右チャンネルから音が出なくなる、電源SWを何回か「オンオフ」するも症状変わらず。
    電源スイッチを押した後の「リレーの接続音」が小さい気がした。
    音の出ている左チャンネルもホワイトノイズが大きかった。
    とりあえず購入元へ持っていくため、配線を外してタオルケットに包み、車へ運ぶ時に、転び負傷(アンプは無事)し、持っていくのを諦める。
    2012/8/17  念のため、症状の確認
    • 入力ピンジャックの左右を変えてみる、左から音が出なければ、症状は変わらないはずだが、音は両チャンネルとも出るので、とりあえず様子をみる。
      数時間の駆動では問題なさそう。ただ、破裂音のようなものが1回した気がした。

    2012/8/18
    • スピーカ端子と入力端子を接点復活剤で清掃後、接続。  FMを入れてみるも、右から2回大きな破裂音がしたので、電源オフした。
     
  • 故障機器への思い入れ ナカミチ製品は、音のダイレクト感が気に入り、 50シリーズのCDプレーヤ、コントロールアンプCA-70も所持していました。 前者は作動不良、後者は使用中に大音量のブザー音が発生したため、 仕方なく処分しました。(いずれも20年以上経っていました) 今は、ドラゴンCDとチューナが残るのみです。 この音は捨てがたいです。

B. 原因
  • 経年変化による劣化?

C. 修理状況
  • 初段FET交換。
    半固定VR 交換。
    DCバランス半固定VR追加。
    フイルムコンデンサ− 1部交換。
    電解コンデンサ−交換。
    出力リレー 交換。
    電源リレー 交換。
    配線手直し、補強。
    経年劣化による各部ハンダ補正。

D. 使用部品
  • 半固定VR                                4個。
    フイルムコンデンサー                         2個。
    電解コンデンサー(オ−デオコンデンサ−ミューズ使用)    20個。
    出力リレー                                2個。
    電源リレー                                1個。
    FET(電解トランジスター)                      2個。
    増設リレー                                1個。

E. 調整・測定

F. 修理費 90,000円   <<オーバーホール修理>>

S. Nakamichi PA−70CE の仕様(マニアル・カタログより)
A. 修理前の状況
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A14. 点検中 後から見る
A15. 点検中 後左から見る
A17. 点検中 上から見る
A18. 点検中 上蓋を取り、上から見る
A182. 点検中 上蓋を取り、清掃し、上から見る
A21. 点検中 下から見る
A22. 点検中 下前から見る
A23. 点検中 下前左から見る
A24. 点検中 下後から見る
A25. 点検中 下後右から見る
A26. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A27. 点検中 下蓋裏の埃
A31. 点検中 電源電解コンデンサーは33000μ/90WV
A32. 点検中 電源電解コンデンサー周り配線
A32. 点検中 電源電解コンデンサーの端子にかろうじて付着している半田球(屑)。
A34. 点検中  R側放熱器の 放熱シリコンシートがずれている!
A35. 点検中  R側AMP基板止めネジが折れている。
A36. 点検中  L側AMP基板止めネジが折れている。
A41. 点検中 電源投入リレー比較 左=付いていた接点容量10A定格、 右=交換する接点容量15A定格。
A41. 点検中 SP接続リレー比較 左=付いていた接点容量7A=8Ω出力だと392W定格
                           右=交換する接点容量10A=8Ω出力だと800W定格
C. 修理状況.
C10. 修理中  前面パネルを取り、修理中。
C11. 修理前  電源制御基板
C12. 修理後  電源制御基板  電解コンデンサー2個、リレー交換。
C13. 修理前  電源制御基板裏
C14. 修理(ハンダ補正)後   電源制御基板裏
C15. 完成電源制御基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前  電源表示LED基板
C22. 修理前  電源表示LED基板裏
C23. 修理(ハンダ補正)後 電源表示LED基板裏
C24. 完成電源表示LED基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C30. 修理中  R側AMP放熱器を倒し、修理。
C31. 修理前  R側AMP+放熱器。
C312. 修理中  R側AMP+放熱器、 上の写真でも解る様に、放熱シリコンシートがずれている!
C313. 修理中  R側AMP+放熱器、 ずれない様に、放熱シリコンシートをテープで固定する。
C314. 修理中 R側AMP基板止めネジが折れている。
C315. 修理後 R側AMP基板止めネジ、 交換してワッシャを入れる。
C32. 修理後  R側AMP+放熱器。
C33. 修理前  R側AMP基板
C34. 修理後  R側AMP基板 電解コンデンサ−9個、FET1個、半固定VR2個交換。
C35. 修理前  R側AMP基板裏
C352. 修理前  R側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ方向不良。
C353. 修理後  R側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ修正後。
C354. 修理前  R側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ方向不良2。
C355. 修理後  R側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ修正後2。
C356. 修理前  R側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ方向不良3。
C357. 修理後  R側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ修正後3。
C358. 修理中  R側AMP基板裏、 半田不良ケ所。
C359. 修理中  R側AMP基板裏、 半田不良予備群。
C35A. 修理中  R側AMP基板裏、 半田不良予備群2。
C36. 修理(ハンダ補正)後   R側AMP基板裏
C37. 完成R側AMP基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C40. 修理中  L側AMP放熱器を倒し、修理。
C41. 修理前  L側AMP+放熱器。
C413. 修理中  L側AMP+放熱器、 ずれない様に、放熱シリコンシートをテープで固定する。
C414. 修理中 L側AMP基板止めネジが折れている。
C415. 修理後 L側AMP基板止めネジ、 交換してワッシャを入れる。
C42. 修理後  L側AMP+放熱器。
C422. 修理後  L側AMP+放熱器。
C43. 修理前  L側AMP基板
C44. 修理後  L側AMP基板 電解コンデンサ−9個、FET1個、半固定VR2個交換。
C45. 修理前  L側AMP基板裏
C452. 修理前  L側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ方向不良。
C353. 修理後  L側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ修正後。
C454. 修理前  L側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ方向不良2。
C355. 修理後  L側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ修正後2。
C456. 修理前  L側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ方向不良3。
C357. 修理後  L側AMP基板裏、 ジャンパー線等曲げ修正後3。
C358. 修理中  R側AMP基板裏、 半田不良ケ所。
C359. 修理中  R側AMP基板裏、 半田不良予備群。
C35A. 修理中  R側AMP基板裏、 半田不良予備群2。
C35B. 修理中  R側AMP基板裏、 半田不良予備群3。
C46. 修理(ハンダ補正)後  L側AMP基板裏
C47. 完成L側AMP基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C51. 修理中  後面パネルを取り、修理中。
C6. 交換部品
C71. 修理前 上から見る
C72. 修理後 上から見る
C73. 修理前 下から見る
C74. 修理後 下から見る
C75. 修理後 下から見る拡大 フイルムコンデンサー4個追加。
E. 測定・調整
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. 50Hz入力、R側SP出力電圧41V=210W出力、 0.016%歪み。
              L側SP出力電圧42V=220W出力、 0.012%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、R側SP出力電圧41V=210W出力、 0.016%歪み。
               L側SP出力電圧42V=220W出力、 0.011%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、R側SP出力電圧42V=220W出力、 0.016%歪み。
               L側SP出力電圧42V=220W出力、 0.012%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧42V=220W出力、 0.020%歪み。
              L側SP出力電圧42V=220W出力、 0.016%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、R側SP出力電圧42V=220W出力、 0.024%歪み。
             L側SP出力電圧42V=220W出力、 0.019%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧42V=220W出力、 0.028%歪み。
               L側SP出力電圧42V=220W出力、 0.024%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 50kHz入力、R側SP出力電圧39V=190W出力、 0.054%歪み。
               L側SP出力電圧39V=190W出力、 0.054%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E28. 100kHz入力、R側SP出力電圧31V=120W出力、 0.156%歪み。
                L側SP出力電圧30V=113W出力、 0.236%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
               このAMPの特色で、全く落ちない!
E3. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E4. 完成 24時間エージング。 左はMcintosh MC275. 6台目  
S. Nakamichi PA−70CE の仕様(マニアル・カタログより)
型式 ステレオパワーアンプ PA-70CE (Custom Edition)
定格出力(新IHF) 225W+225W(8Ω、両ch駆動、20Hz〜20kHz、0.05%THD)
ダイナミックパワー 340W(8Ω、片チャンネル当り)
ダイナミックヘッドルーム(新IHF) 1.7dB(8Ω)
パワーバンド幅 5Hz〜50kHz(112.5W、0.05% THD)
ダンピングファクター(新IHF) 60以上(20Hz/1kHz/20kHz)
入力感度/インピーダンス(新IHF) 2.0V/50kΩ(定格出力)140mV/50kΩ(1W出力)
周波数特性(新IHF) 20Hz〜20kHz +0 -0.2dB(1W)、 7Hz〜150kHz +0 -3dB(1W)
S/N比(IHF A-WTD) 120dB以上(入力ショート、定格出力)
残留ノイズ(IHF A-WTD) 25μV以下
全高調波歪率 0.05%以下(定格出力、20Hz〜20kHz)
混変調歪率 0.05%以下(定格出力、60Hz:7kHz=4:1)
ステレオセパレーション(入力ショート) 120dB(100Hz)、 105dB(1kHz)、 90dB(10kHz)
出力トランジスタ数 18個(片チャンネル当り)
最大出力電流(片チャンネル当り) 20A連続90Aピーク
電源部 700Wトロイダルトランス
132,000μF電源フィルターコンデンサー
(33,000μF×4)
電源 AC100V、50Hz/60Hz
消費電力 最大900W
外形寸法 幅435×高さ200×奥行421mm
重量 約28.5kg
価格 42万円/1988年
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