HMA−9500mkU. 58台目修理記録
平成28年10月12日到着    2月11日完成
注意 このAMPはアースラインが浮いています。
    AMPのシャーシにSPの線(アース側)やプリAMPのアースもも接続してはいけません。
    RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません、+−の撚りのあるのも使用出来ません。
    又、DC(directconnection)入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=ここ参照
A. 修理前の状況

B. 原因
  • 出品者の「状態=電源が入りません。電源ヒューズが2個共、破断しています」の説明を考慮し、終段FET(電界効果トランジスター)の焼損を覚悟で購入したが、前段TR(トランジスター)の短絡でした。
  • この様な事はごく希です。
    終段FET(電界効果トランジスター)の特性が揃っていた為、ゲート電流が均等に流れ、
    最大ドレイン電流(7A)内で、電源ヒューズが飛んだ為。
  • 電源トランスの1次側ヒューズは5Aなので500VA、2次側は48Vで7A×2=14Aなので、
    672VA。前段の電力を考慮すると、可能性はあります。
  • 一般には、パラレル接続の終段FET(電界効果トランジスター)の経年変化のバラツキで、片側が最大ドレイン電流7Aを越え焼損するのが一般的です。
  • この時、終段FET(電界効果トランジスター)を守る為、ゲートにフューズ抵抗が入れて有るのです。
    最近「ヒューズ抵抗は音質優先でタクマン オーディオ用金属皮膜抵抗(REY)に全数新品交換してあります。
    ヒューズ抵抗は熱や経年変化で抵抗値が大幅にずれる事があり、その割りに切れずに回路のバランスが狂ったまま動作することもあるので、音質重視で音響用抵抗に変えてあります

    などど称している輩がいることに十分注意の事!
    製造メーカーの製品は、有りとあらゆる事象を考慮して設計・試作・過酷動作試験を繰り返して、完成させている。
    構成部品を変更する時は、十分の配慮が必要。
  • 半導体回路は、ブロック(直結回路)が大きく、1つの構成要素のバラツキが全体のバラツキを大きく左右する。
    真空管回路の場合は、せいぜい3段停まりで、大きく異なる。
  • 半導体は、真空管と異なり、製造時のバラツキが非常に多い。よって、工場出荷時にランク表示がしてある。
    更に、製品製造メーカーは半導体製造メーカーに対して、購入時に性能を指定している場合が常である。
    よって、後日の修理で、同じ名称の市販品を交換しても、製品製造メーカー仕様性能が出ない場合が多々有ります。


C. 修理状況
D. 使用部品
  • SP接続リレー            2個。
    初段FET                2個。
    バイアス/バランス半固定VR       6個。
    ヒューズ入り抵抗              30個。
    電解コンデンサー              31個 。
    フイルムコンデンサー            4個。
    WBT SP端子 WBT−0702    2組(定価で工賃込み)。
    WBT RCA端子 WBT−0201   1組(定価で工賃込み)。
    電源コード(M−ONAMBA 3.5スケア) 約2m(支給品)。
    3Pプラグ(HUBBELL HALCAT)    1個(支給品)。

E. 調整・測定

F. 修理費     200,000円    オーバーホール修理。
                      「3台目からの、お馴染みさん価格」

Y. ユーザー宅の設置状況

S. HITACHI Lo−D HMA−9500mkU の仕様(マニアルより)

A. 修理前の状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A11. 点検中 前から見る
A12. 点検中 前右から見る
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中 後左から見る
A15. 点検中 上から見る
A21. 点検中 下前から見る
A22. 点検中 下前左から見る
A23. 点検中 下後から見る
A24. 点検中 下後右から見る
A25. 点検中 下から見る。
A31. 点検中 下蓋を取り、下から見る
A32. 点検中 電源トランスの詰め物を見る。 変色、ヒビ割れも無。
A41. 点検中 電解コンデンサー外観比較、100μ/100V
A42. 点検中 電解コンデンサー外観比較、220μ/100V
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C11. 修理前 R側ドライブ基板
C12. 修理後 R側ドライブ基板 初段FET、バランス・バイアス調整用半固定VR3個、SP接続リレー交換
            ヒューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー11個、TR(トランジスター)2個交換。
C13. 修理前 R側ドライブ基板裏
C14. 修理中 R側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C15. 修理(半田補正)後 R側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。 普通はこれで完成。
C16. 完成R側ドライブ基板裏  洗浄後防湿材を塗る。
C17. 修理(清掃)中 R側放熱器裏の埃。 意外にも少ない。
C21. 修理前 L側ドライブ基板
C22. 修理後 L側ドライブ基板 初段FET、バランス/バイアス調整用半固定VR3個、SP接続リレー交換
            ヒューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー11個、TR(トランジスター)2個交換。
C23. 修理前 L側ドライブ基板裏
C24. 修理中 L側ドライブ基板裏 定電圧TR(トランジスター)の足の銅箔を広げる。
C25. 修理(半田補正)後 L側ドライブ基板裏 半田を全部やり直す。
C25. 完成L側ドライブ基板裏 洗浄後、さらに防湿材を塗る。
C26. 修理(清掃)中 L側放熱器裏の埃。 意外にも少ない。
C31. 修理前 R側終段FET(電界トランジスター)
C33. 修理中 R側終段FET(電界トランジスター)、取り付けよう絶縁マイカー
         熱伝導の良い「シリコン製絶縁シート」は比誘電率が、シリコーンオイル=2.60〜2.75、雲母=5〜8と、
         2倍の開きがあり、高域特性に影響が出るので、現在は未採用。
C34. 修理後 R側終段FET(電界トランジスター)
C35. 修理前 L側終段FET(電界トランジスター)
C37. 修理中 L側終段FET(電界トランジスター)、取り付けよう絶縁マイカー
         熱伝導の良い「シリコン製絶縁シート」は比誘電率が、シリコーンオイル=2.60〜2.75、雲母=5〜8と、
         2倍の開きがあり、高域特性に影響が出るので、現在は未採用。
C38. 修理後 L側終段FET(電界トランジスター)
C41. 修理前 RLモジュール。
C42. 修理前 RLモジュール裏。
C43. 修理中 R側モジュールを修理・測定。 修理の様子はこちら
C44. 修理中 L側モジュールを修理・測定。 修理の様子はこちら
C45. 修理後 RLモジュール裏。  TR(トランジスター)交換後軽くラッカーを吹きました。
C51. 修理前 電源基板。
C54. 修理後 電源基板 ヒューズ入り抵抗全部、電解コンデンサー9個、整流ダイオード10個交換。
                                      輪ゴムは接着材が硬化するまで固定する。
C55. 修理前 電源基板裏
C56. 修理(半田補正)後 電源基板裏 半田を全部やり直す。 パスコン足絶縁チューブは2重にする。
C57. 完成電源基板裏  洗浄後防湿材を塗る
C58. 修理中 絶縁シート。
C61. 修理前 RCA端子
C62. 修理中 RCA端子取り付け穴。
C63. 修理後 RCA端子 WBT−0201 使用。
C64. 修理中 RCA端子取り付ナットは治具を使い締結する。
C65. 修理前 入力RCA端子基板
C66. 修理前 入力RCA端子基板裏
C67. 修理(半田補正)後 RCA端子基板裏  半田を全部やり直す
                   フイルムコンデンサー2個増設
C68. 完成RCA端子裏 洗浄後防湿材を塗る。
C69. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。
C6A. 修理中 RCA端子基板の切り換えSW分解。端子を洗浄する。
C6B. 修理後 RCA端子基板の切り換えSW分解。使用するのは端の1回路のみ、内側の綺麗な接触子と交換して組む。
C71. 修理前 R−SP端子
C72. 修理中  R−SP接続端子穴加工前
C73. 修理中  R−SP接続端子穴加工後
C74. 修理(交換)後 R−SP端子、 WBT−0702 使用。
C75. 修理前 R−SP端子裏配線
C76. 修理後 R−SP端子裏配線。
              WBTのネジ止めを生かし、ネジ止め接続+半田接続のW配線にした。理由はこちら
C81. 修理前 L−SP端子
C82. 修理中 L−SP接続端子穴加工前
C83. 修理中 L−SP接続端子穴加工後
C84. 修理(交換)後 L−SP端子、 WBT−0702 使用。
C85. 修理前 L−SP端子裏配線。
C86. 修理後 R−SP端子裏配線。
               WBTのネジ止めを生かし、ネジ止め接続+半田接続のW配線にした。理由はこちら
C91 修理前 電源ケーブル取り付け部。
C92. 修理中 電源ケーブル取り付け部穴加工前。
                 SP接続端子との距離を取る為に、下右方向へ広げる為、昔ながらのヤスリで削る。
C93. 修理中 電源ケーブル取り付け部穴加工後
C94. 修理後 電源ケーブル取り付け部
C96. 修理前 ラグ端子に電源ケーブル取り付。
C97. 修理中 ラグ端子に電源ケーブル取り付。
C98. 修理後 ラグ端子に電源ケーブル取り付。
C99. 修理後 ラグ端子に電源ケーブル取り付。
C9B. 修理中 3Pプラグにケーブル取り付。分解不可の為巻き付け不可。
C9C. 修理中 3Pプラグにケーブル取り付。 被覆部も十分に差し込む。
C9E. 完成 3Pプラグにケーブル取り付。 奥までしっかり芯線が入っている。
C9F. 完成 3Pプラグにケーブル取り付、反対側。 奥までしっかり芯線が入っている。
C9G. 完成 3Pプラグにケーブル取り付。
CA1. 修理前 R側ドライブ基板へのラッピング線
CA2. 修理後 R側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CA3. 修理前 L側ドライブ基板へのラッピング線
CA4. 修理後 L側ドライブ基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CA5. 修理前 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線
CA6. 修理後 R側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CA7. 修理前 L側ドライブ基板−電源基板
CA8. 修理後 L側ドライブ基板−電源基板へのラッピング線に半田を浸み込ませる
CB1. 交換した部品
CD1. 修理前 下から見る
CD2. 修理後 下から見る
CD3. 完成 綺麗なお尻で帰ります
CD4. SP端子WBT−0702には サンドイッチスペードが似合います WBT 0681Agを挿した所。
CD5. SP端子WBT−0702には サンドイッチスペードが似合います WBT 0681Cuを挿した所。
CD6. RCA端子WBT RCA端子 WBT−0201にはWBT−0102Cuが似合います。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. 50Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00464%歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0048%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. 100Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00475%歪み。
               L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0050%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. 500Hz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00570歪み。
               L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00618%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. 1kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00569%歪み。
              L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.00624%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. 5kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0152%歪み。
             L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0184%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. 10kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0163%歪み。
               L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0207%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. 50kHz入力、R側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0170%歪み。
               L側SP出力電圧34V=145W出力、 0.0184%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E28. 100kHz入力、R側SP出力電圧32V=128W出力、 0.0259%歪み。
                L側SP出力電圧32V=128W出力、 0.0281%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
               このAMPの特色で、全く落ちない!
E4. 完成  24時間エージング。 右はHMA−9500mkU. 59台目
Y. ユーザー宅の設置状況
Y1. 設置状況、 正面から見る。
                     9500m58-25v
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