HMA−9500mKU 修理記録
平成13年11月20日到着   12月28日完成
注意 このAMPはアースラインが浮いています
    AMPのシャーシにSPの線(アース側)や入力のRCAプラグのアース側も接続してはいけません
    RL−SPのアース線も接続(共通)してもいけません

    又、DC(directconnection)入力が可能ですが、絶対に使用しないこと=ここ参照
寸評
 このAMPは今回の修理依頼者の、前持ち主が、かなり修理している=いじくり回している。
抵抗、TR(トランジスター)、コンデンサーを、何回も、何回も取り外した様です
取り外しが下手な為、基板の銅箔の剥離多数発生しています。
終段FET何回も焼損したらしく、フューズ入り抵抗は、殆ど、普通の抵抗に、取り替えられていた。
 よって、使用には、このAMPの下には、燃える物を置かない等、注意が必要です。
修理方法もいい加減で、その時、既にモジュールは壊されており、
自分でバイアスの抵抗を強引に替えて、辛うじて「B級動作」させていました。
A. 修理前の状況
  左側の放熱器の異常発熱に気がつき、さらに大音量時に歪む。
  メーカーに修理の問い合わせをしたのですが、部品がないとのことで断られました。
  そこでインターネットで回路図を手に入れ、自分で直すことにしました。
  回路図を見ながら抵抗値等を確認していたところ、回路をショートさせてしまったのです。
  電源が入りません。

B.原因
  短絡(ショート)による基板剥離、抵抗焼損、TR(トランジスター)破損。

C. 修理状況
  RL AMPのTR(トランジスター)交換
  RL ICモジュール、修理・製作
  プリント基板補修
  配線手直し、補強

D.使用部品
  終段FET(電界効果トランジスター)     持参20個の中から選別して、使用
  TR(トランジスター)               20個
  電解コンデンサー                 12個
  抵抗                         10個

E. 修理費   45,000円   「通常修理」
                      終段FET(電界効果トランジスター)は別途支給。

S. HITACHI Lo−D HMA−9500mkU の仕様(マニアルより)
1.上から見る、コンデンサー、トランスは安全の為、ケース入り=放熱が悪い。
2.下から見る、さんざん、いじられたらしい。
3. L側、ショートしたドライブ基板、チューブラ(空中)配線多数。
4. L側、ドライブ基板裏、何回も部品を取り替えたらしく、銅箔がかなりの数、剥離している。
  部品を取るには、半田吸い取り器、又は、ハンダ吸い取り線を使用すること。
5. このAMPの命「ノンカットオフバイアス制御」のICモジュールが死んでる。
  RL共このモジュールが機能していなり。抵抗で誤魔化し、B級で動作させていた。
  メーカー在庫無し、等価回路を元に復元修理する。
6. 故障していないはずの右側の出力、モジュールが動作せず、終段はB級動作。
   人の耳で、A級、B級動作の判定は難しいのでは?
7. モジュール修理、このハンダ付けが出来れば、ハンダ付け技術は一人前。
  角を出さず、丸くハンダ付け(ハンダ盛り)する。
8. ハンダ鏝先も、小さいのを使用、無論ハンダも細い物を使う。
9. L側、修理後、部品の足で押さえる、酷いところは半田付け後、アロンアルファで着ける。
10. R側、修理後、部品の足で押さえる、酷いところは半田着け後アロンアルファで着ける。
11. 出力/歪み率測定・調整
12. L側、30V=112W出力 0.03%歪み オシロは終段A級動作(ドレイン電流)。
13. R側、30V=112W出力 0.03%歪み オシロは終段A級動作(ドレイン電流)
14. RL同時、度重なるショウトでコンデンサー等がくたびれているのか歪みが一気に増す。
   小生の所の給電事情が良くないのも1因です。普通の家庭で30A契約です。
   歪み計のレンジは、最大1%レンジを使用。
15. 完成した基板全部
16. 24時間エージング
モジュールの修理(解析、部品探し)に時間が係りました。
                       ha95002h
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