SAE(Scientific Audio Electronics) A1001 修理記録
平成15年8月2日   8月15日完成
A. 修理前の状況
  • オークションで入手した。
    オークションで買ったアンプは、来たときは正常に動作していても、殆ど1年以内に壊れてしまいますね!

B. 原因
  • プロテクト+SP接続リレー基板不良。

C. 修理状況

D. 使用部品
  • リレー                                       3個。
    電解コンデンサー(高圧を除き、オーディオ・コンデンサー使用)   31個。
    半固定VR                                    2個。
    整流ブリッジ                                   2個。
    複合トランジスター                               2個。
    AC100V突入電流(ラッシュ・カーレント)抑制回路製作・組み込み。
    プロテクトIC                                   1個。

E. 調整・測定

F. 修理費
   130,000円  オーバーホール修理
                      3台目からの、お馴染みさん価格

S. SAE(Scientific Audio Electronics)A1001 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況・点検。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
A1A. 点検中 上から見る 定格出力500W/8Ω+500W/8Ω
A1B. 点検中 終段TR(トランジスター)は全て東芝製品で片側16パラ・プシュで32個使用 よって左右で64個
         このタイプ(TO−3)は市場に無く、1個2000円×64=128、000円の価値が、このTR(トランジスター)だけで有り。
A2A. 点検中 AMP部拡大 使用されている電解コンデンサーも古い物
            この大きなトロイダル・トランスにAC100Vを直入れ!
            日本の普通の家庭で、契約容量が少ない場合、ブレーカーが落ちてしまう、日本の製品では考えられない
A2B. 点検中 後ろから見る 下左右に前段AMP部 下真ん中にプロテクト+SP接続リレー基板
            真ん中が電解コンデンサー8本
A2C.点検中 故障原因のプロテクト+SP接続リレー基板
           この基板を取り出すには、左右の終段基板(放熱器付き)、左右に前段AMP部、真ん中が電解コンデンサー8本
           要するに、全部バラサナイト取り出せない、修理の事など全く考慮していない!
A3A. 点検中 焼けたSP接続リレーの可動接点、ご覧の様に接点を支えている、隣青銅が焼けてへたっている、特に左側
            接点だけを磨いても、ダメな理由です
A3B.点検中 焼けたSP接続リレーの固定接点、右側には真ん中にアークでキズがある
           これでは幾らSP配線を太くしても、到底良くならない
A4. 点検中 温度関知のサーモスタット、ここにAC100Vが通過する(左右2個直列に通過)
C. 修理状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
C1A. 修理前 上VU基板
C1A1. 修理前 上LED基板
C1A2. 修理後 上LED基板
C1A3. 修理後 上LED基板反対側
C1B. 修理後 上VU基板 電解コンデンサー3個交換
C1C. 修理前 上VU基板裏
C1D. 修理(半田補正)後 上VU基板裏 電解コンデンサー1個交換
C1E. 修理前 下VU基板
C1E1. 修理前 下LED基板
C1E2. 修理後 下LED基板
C1E3. 修理後 下LED基板 反対側
C1F. 修理後 下VU基板 電解コンデンサー3個交換
C1G. 修理前 下VU基板裏
C1H. 修理(半田補正)後 下VU基板裏 電解コンデンサー1個交換
C2A. 修理中 後ろに左右終段基板、コネクターを節約してケチると修理は大変です、未だプロテクト基板は取れず
C2B. 修理中 後ろに左右終段基板、コネクターをケチると修理は大変です、ヤットプロテクト基板が取り出せる
C3A. 修理前 F側電源電解コンデンサー
C3B. 修理前 F側電源電解コンデンサー、肝心のアースがネジ止め
C3C. 修理(ハンダ補正)後 F側電源電解コンデンサー、肝心のアースはハンダを盛る、電解コンデンサー4個追加
C3D. 修理前 B側電源電解コンデンサー
C3E. 修理(ハンダ補正)後 B側電源電解コンデンサー、電解コンデンサー4個追加、肝心のアースは組み付け時取り付け
C4A. 修理前 プロテクト+SP接続リレー基板、SP接続リレーは取り外してある
C4B. 修理後 プロテクト+SP接続リレー基板、SP接続リレー組み付けて取付ける 電解コンデンサー5個、プロテクトIC交換
C4C. 修理前 プロテクト+SP接続リレー基板裏
C4D. 修理(ハンダ補正)後 プロテクト+SP接続リレー基板
C5A. 修理前 R側終段基板
C5B. 修理(半田補正)後 R側終段基板 電解コンデンサー8個交換
C5C. 修理前 R側中段
C5D. 修理前 R側中段  電解コンデンサー2個、半固定VR交換
C5E. 修理前 R側初段基板
C5F. 修理後 R側初段基板 電解コンデンサー7個、複合TR(トランジスター)2個交換
C5G. 修理前 R側初段基板裏
C5H. 修理(半田補正)後 R側初段基板裏
C5I. 修理後 R側RCA端子取り付け、スタッドを使用して基板を固定する
C6A. 修理前 L側終段基板
C6B. 修理(半田補正)後 L側終段基板 電解コンデンサー8個交換
C6C. 修理前 L側中段
C6D. 修理前 L側中段  電解コンデンサー2個交換
C6E. 修理前 L側初段基板
C6F. 修理後 L側初段基板 電解コンデンサー7個、複合TR(トランジスタ−)2個交換
C6G. 修理前 L側初段基板裏
C6H. 修理(半田補正)後 L側初段基板裏
C6I. 修理前 L側初段基板 裏 RCA端子付近
              RCA端子を交換した作業が悪い、銅箔が浮いている
C6J. 修理後 L側初段基板 裏 RCA端子付近
              スタッドを使いしっかり固定する
C6K. 修理後 L側RCA端子取り付け、スタッドを使用して基板を固定する
C7. 修理後 電源回路(遅延回路組み込み) 電源投入リレーは10A×3=30A容量
          AC100Vはこの2個の接点だけを通り、トランスに供給される、左下が突入電流(ラッシュ・カーレント)抑制抵抗
          今までは温度サーミスターの接点2個+機械的SWを通り直入れだったのがこの大型リレーで置き換え
C8A. 修理前 AMP部拡大 
C8B. 修理後 AMP部拡大 
C8C. 修理前 上から見る
C8D. 修理後 上から見る
C8E. 修理前 プロテクト+SP接続リレー基版
C8F. 修理後 プロテクト+SP接続リレー基版
C9A. 交換部品
C9B. 液漏れが始まった電解コンデンサー
C9C. 腐食した半固定VR
C10.止めネジも塗装する
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E1. 出力/歪み率測定。
E2A. R側SP出力=62V=480W 0.03%歪み 1000HZ入力
       R出力=右=上=赤針 L出力=左=下=黒針 右下のオシロが入力波形
E2B. R側SP出力=62V=480W 0.05%歪み 400HZ入力
       R出力=右=上=赤針 L出力=左=下=黒針 右下のオシロが入力波形
E3A. L側SP出力=62V=480W 0.03%歪み 1000HZ入力
       R出力=右=上=赤針 L出力=左=下=黒針 右下のオシロが入力波形
E3B. L側SP出力=62V=480W 0.03%歪み 400HZ入力
       R出力=右=上=赤針 L出力=左=下=黒針 右下のオシロが入力波形
E4A. 上記測定は午後18時過ぎで100Vラインが低すぎで出力出ず
       翌朝8時に再測定
       このAMPはTR(トランジスタ−)供給電圧を100Vの上げ、大出力を引き出しています
       放熱、SPラインからの周り込み等に注意しましょう(SPへの配線は4本単独に引くこと)        
無負荷供給電圧=100.5V
負荷供給電圧=97.2V
E4B. R側SP出力=68V=578W 0.02%歪み 400HZ入力
       R出力=右=上=赤針 L出力=左=下=黒針 右下のオシロが入力波形
E4B. L側SP出力=68V=578W 0.03%歪み 400HZ入力
       R出力=右=上=赤針 L出力=左=下=黒針 右下のオシロが入力波形
E5. 完成 24時間エージング
S. SAE(Scientific Audio Electronics) MARK 1001 の仕様(マニアル・カタログより) 
型式 SAE MARK 1001 ステレオパワーアンプ
実効出力 500W+500W(8Ω、THD0.025%)
750W+750W(4Ω、THD0.025%)
1500W(ブリッジ動作、8Ω、THD0.05%)
1750W(クリッピングパワー)
全高調波歪率 0.025%以下(20Hz〜20kHz、250mW〜500W)
混変調歪率 0.025%以下(20Hz〜20kHz、250mW〜500W)
ダンピングファクター 60以上(20Hz〜20kHz)
周波数特性 20Hz〜20kHz +0 -0.5dB
SN比 125dB(定格出力時、IHF-A)
チャンネルセパレーション 90dB(20Hz〜20kHz)
入力感度 2.50V
外形寸法 幅483x高さ222x奥行483mm
重量 30.4kg
価格 ¥590,000(1982年頃)
                         sea1001-1z
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