QUAD 44. 5台目修理記録
平成19年3月27日到着   4月9日完成
このAMPの入出力に使用する「5ピンDINコネクター(雄)」、多数有ります、必要なかたメール下さい
又、ケーブルも作ります(DIN−RCA端子)
A. 修理前の状況
  • 1.ハム音 以前からの症状ですが、ボリュームを絞るとかすかなハム音があります。
  • 2.QUAD44のインディケータ パワースィッチをオンにしてもインディケータ(LED)が点燈しないことが、起きる ようになりました。
  • 3.パワーオン時のノイズ パワーオンの際に、「ボツン」と大きな音がします。 以前からしていたのですが、最近大きくなったような気がします。
  • 4.その他 ご存知と思いますが、44のパワースィッチは独特の構造をしており、押すときに 斜めに負荷が掛かる設計になっています。そのため、購入当初よりスィッチオンの状 態にならない(フックが掛からない)ことが度々発生し、調整を繰り返しお願いしま したが、最終的にはスィッチ本体を一度交換してあります。
  • 5.QUAD44は、購入時にMC用のイコライザに付け替えましたが、不思議なことに、他のRCA 端子とLR(赤白)の配列が上下逆になっております。英国人のジョークでもないと思 うのですが。

T. 修理前の測定


B. 原因
  • 各部劣化

C. 修理状況
  • 電解コンデンサー交換
    OP−AMP交換
    リレー交換
    劣化RCA端子交換
    電源SWをリレーSWに改造、今回は100V専用。
    QUAD44で、405+FM4の電源を操作する場合、SWのヒンジが長いので持ちが悪い。
    リレーを挿入することで解消します。200/100V対応も可能ですが、今回は100V専用となります。
D. 使用部品
  • 電解コンデンサー                          21個
    OP−AMP                              14個
    リレー                                   1個
    RCA端子                                8個
    電源リレー                                1個
    抵抗                                    2個

E. 調整・測定

F. 上位測定機器での調整・測定


F. 修理費   80,000円  オーバーホール修理

S. QUAD 44 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況
A1. 点検中 上から見る
A2. 点検中 下から見る
A3. 点検中 後ろから見る。 DIN端子+RCA端子
A4. 点検中 付随RCA−ケーブル。 樹脂で固めてある。外側を少し締める。 ここ参照
A5. 点検中 ヒビが入った雑音防止コンデンサー。 
A6. 点検中 ネジ山が埋まったビス。 左=清掃後、右=清掃前 
T. 修理前の測定
T1. 出力・歪み率測定
    <見方>
   下段左端 オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、出力を測定
   下段中左 オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下段中右上=周波数計
   上段左端 電圧計=L側出力電圧測定、黒針のみ使用
   上段中左 歪み率計=出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上段中右 電圧計=R側出力電圧測定、赤針のみ使用
   上段右端 オシロ=出力波形 上=R出力、下=L出力(実際にはRL電圧計の出力「Max=1V」を観測)
   下段中右上 デジタル電圧計=出力電圧測定RLは切り替えて測定
T2A. RCA5V出力端子 5V 歪み率=0.24% 1000HZ AUX/CD入力
T2A. RCA5V出力端子 5V 歪み率=0.3% 400HZ AUX/CD入力
T3A. RCA5V出力端子 5V 歪み率=0.3% 1000HZ DISK入力
T3A. RCA5V出力端子 5V 歪み率=0.3% 400HZ DISK入力
C. 修理状況
C1A. 修理前 TAPE1入力基板 上のデイップSWはPlayとRecordのレベル調整
C1B. 修理後  TAPE1入力基板 OP−AMP2個、電解コンデンサー2個交換。
C1C. 修理前  TAPE1入力基板裏
C1D. 修理(半田補正)後  TAPE1入力基板裏 全半田やり直し
C1E. 完成TAPE1入力基板裏 洗浄後
C2A. 修理前  TAPE2入力基板 上のデイップSWはPlayとRecordのレベル調整
C2B. 修理後 TAPE2入力基板 OP−AMP2個、電解コンデンサー2個交換。
C2C. 修理前  TAPE2入力基板裏
C2D. 修理(半田補正)後  TAPE2入力基板裏 全半田やり直し
C2E. 完成TAPE2入力基板裏 洗浄後
C3A. 修理前  DISK入力基板
C3B. 修理後  DISK入力基板 OP−AMP2個、電解コンデンサー6個、RCA端子2個交換。
C3C. 修理前  DISK入力基板裏
C3D. 修理(半田補正)後  DISK入力基板裏 全半田やり直し。
C3E. 完成DISK入力基板裏 洗浄後
C4A. 修理前  CD/AUX入力基板
C4B. 修理後  CD/AUX入力基板  OP−AMP1個、RCA端子2個交換。
C4C. 修理前  CD/AUX入力基板裏
C4D. 修理(半田補正)後  CD/AUX入力基板裏 全半田やり直し
C3E. 完成CD/AUX入力基板裏 洗浄後
C5A. 修理前  RADIO入力基板
C5B. 修理後  RADIO入力基板。 OP−AMP2個、RCA端子2個交換。
C5C. 修理前  RADIO入力基板裏
C5D. 修理(半田補正)後  RADIO入力基板裏 全半田やり直し
C3E. 完成RADIO入力基板裏 洗浄後
C6A. 修理前  出力RCA端子。 何と5V/1.6Vの出力端子有り、真空管AMPも十分駆動できる
C6B. 修理後  出力RCA端子。 RCA端子6個交換。
C6C. 修理(半田補正)後  出力RCA端子裏
C7A. 修理前 電源基板
C7B. 修理後  電源基板 電解コンデンサー5個、リレー交換
C7C. 完成電源基板 コート液を塗る
C7D. 修理前  電源基板裏
C7E. 修理(半田補正)後  電源基板裏
C7F. 完成電源基板裏 洗浄後
C8A. 修理前  VR基板
C8B. 修理後  VR基板 電解コンデンサー6個、OP-AMP5個交換。抵抗2個追加。
C8C. 修理前  VR基板裏
C8D. 修理(半田補正)後  VR基板裏
C8E. 完成VR基板裏 洗浄後
C8F. 修理前  SW基板
C8G. 修理(半田補正)後  SW基板も半田補正する、やりにくいが方向を考えて行う=AMP修理工房に妥協は無い
C8H. 修理(清掃)前  SW接点
C8I. 修理(清掃)後  SW接点
C9A. 修理前  操作・表示基板
C9B. 修理前  操作・表示基板裏
C9C. 修理(半田補正)後  操作・表示基板裏
C9D. 完成操作・表示基板裏 洗浄後
CAA. 修理前 電源トランス部。
 44のパワースィッチは独特の構造をしており、押すときに 斜めに負荷が掛かる設計になっています。そのため、購入当初より
 スィッチオンの状 態にならない(フックが掛からない)ことが度々発生し、調整を繰り返しお願いしま したが、最終的にはスィッチ
 本体を一度交換してあります。
 このSWで606+44の電源SWになっている。又両切りになっているので、接点が焼き付く可能性有るので、リレーを増設する。
 200/100V対応も可能ですが、今回は100V専用となります。
CAB. 修理後 電源トランス部。 リレーを増設する。
CBA. 修理中 基板接続ピンを強めておく
CBB. パネル洗浄中
CC. 交換部品
CDA. 修理前 上から見る
CDB. 修理後 上から見る
CDC. 修理前 下から見る
CDD. 修理後 下から見る
CDE. 修理前 後ろから見る。
CDF. 修理後 後ろから見る。
E. 調整・測定
E1. 出力・歪み率測定・調整
    <見方>
   下段左端 オーディオ発振器より400HZ・1KHZの信号を出し(歪み率=約0.003%)これをAMPに入力し、出力を測定
   下段中左 オシロ=入力波形(オーディオ発振器のTTLレベル)   下段中右上=周波数計
   上段左端 電圧計=L側出力電圧測定、黒針のみ使用
   上段中左 歪み率計=出力の歪み率測定 左メータ=L出力、右メータ=R出力
   上段中右 電圧計=R側出力電圧測定、赤針のみ使用
   上段右端 オシロ=出力波形 上=R出力、下=L出力(実際にはRL電圧計の出力「Max=1V」を観測)
   下段中右上 デジタル電圧計=出力電圧測定RLは切り替えて測定
E2A. RCA5V出力端子 5V 歪み率=0.02% 1000HZ AUX/CD入力
E2B. RCA5V出力端子 5V 歪み率=0.02% 400HZ AUX/CD入力
E4A. RCA5V出力端子 5V 歪み率=0.03% 1000HZ DISK/MC(1mV)入力
E4B. RCA5V出力端子 5V 歪み率=0.02% 400HZ DISK/MC(1mV)入力
F. 上位測定機器での調整・測定
F0. 下のオーディオアナライザーVP−7732Aで自動測定。
F2A. 入出力特性測定(CD入力)。 CD入力端子に150mVを入力。 出力=2.5V(5V出力端子)。 VRはMax位置。
                                        左出力=薄(細い)色 右出力=濃い(太い)色。 
F2B. 入出力歪み測定。CD入力端子に150mVを入力。 VRはMax位置。
F3A. 入出力特性測定(CD入力)。 150mVを入力。 BASS LIFT=9dB、TILT+3dB。 VRはMax位置。
F3A. 入出力特性測定(CD入力)。 150mVを入力。 BASS LIFT=9dB、TILT−3dB。 VRはMax位置。
F4A. 入出力特性測定(CD入力)。 150mVを入力。 BASS300HZ、TILT+3dB。 VRはMax位置。
F4A. 入出力特性測定(CD入力)。 150mVを入力。 BASS300HZ、TILT−3dB。 VRはMax位置。
F5. 入出力特性測定(MC入力)。 0.2mVを入力。 VRはMax位置。
E6. 24時間エージング
S. QUAD 44 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 コントロールアンプ 44
入力
 入力感度(1kHz)/最大入力(1kHz)/
負荷インピーダンス/SN比(A補正入力負荷時)
Disc=1mV/35mV/47kΩまたは47kΩ,180pF/63dB
    3mV/100mV/47kΩまたは47kΩ,180pF/72dB
    10mV/300mV/47kΩまたは47kΩ,180pF/82dB
Radio、Aux=100mV/5V/1MΩ/86dB
        500mV/25V/500kΩ/82dB
Tape再生=100mV/5V/39kΩ
       300mV/15V/121kΩ
       0dBm(775mV)/40V/94kΩ/86dB
       3V/100V/85kΩ
       10V/100V/82kΩ
出力(出力レベル/ソースインピーダンス) Tape録音=3mV/32Ωまたは33kΩ
       10mV/100Ωまたは33kΩ
       100mV/1kΩまたは33kΩ
       0dBm(775mV)/1kΩまたは33kΩ
パワーアンプ=0.5V/1kΩ
         1.6V/3.2kΩ
         5V/75Ω
歪率 すべての入力時で最悪のとき0.05%
残留ノイズ -104dB(Aカーブ・ボリューム最小)
周波数特性 ディスク以外=30Hz〜20kHz(+0、-1)
ディスク=30Hz〜20kHz(±0.5dB)
クロストーク(30Hz〜10kHz時) 録音再生=70dB
チャンネル間=50dB
電源入力 100〜130V、200〜250V、50-60Hz
外形寸法 幅321×高さ103×奥行207mm
重量 4kg
価格 21万円
別売MCモジュール(3タイプ)44用=各¥18,000(1986年頃) 34用=各¥13,000(1986年頃)
タイプ 入力感度 負荷(抵抗/容量) 適応ブランド
44用 Aタイプ 0.3mV 470Ω/22nF EMT、Audio-Technica、Dynavector、
Sony、Victor、Yamaha、Denon
Aタイプ
(1986年頃)
0.2mV 100Ω/22nF Ortofon(MC10-Sup、MC20-Sup、SPU)
Denon、FR、Dynavector
Sony、Yamaha、AET
Bタイプ 0.1mV 100Ω/68nF Ortofon(MCシリーズ)
Audio-Technica(AT-1000MC)
Nagaoka、Denon(DL1000A)
Grantz(GMC-55)
Bタイプ
(1986年頃)
0.1mV 100Ω/22nF Ortofon(MCシリーズ)
Nagaoka
Cタイプ 0.3mV 100Ω/68nF Ortofon(SPU、MC10Super)、Coral、
Entre、FR(7f・PMC-3)、Nakamichi、
Supex、Grantz(GMC-10E)
Cタイプ
(1986年頃)
0.4mV 100Ω/22nF Audio-Technica
Supex、Coral
Dタイプ 0.1mV 470Ω/22nF FR(Iシリーズ)、Technics
Goldbug
34用 Aタイプ 0.2mV 100Ω/22nF Ortofon(SPU、MC10Super)
EMT、デンオン(DL1000A除く)
ダイナベクター、ソニー
ビクター、ヤマハ、FR
テクニクス(EPC-310MC)
Bタイプ 0.1mV 100Ω/22nF Ortofon(MCシリーズ)
デンオン(DL-1000A)
テクニカ(AT-1000MC)
アントレー、ナガオカ
テクニクス(EPC-305MC)
Cタイプ 0.4mV 100Ω/22nF テクニカ(AT-1000MC除く)
トーレンス(MCH-2)
スペックス(SD-900E、SDX-1000)
ソニー(XL-88)
                      qua44-526
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