MusicalFidelity A−1. 12台目 修理記録
平成26年3月26日持込  6月6日完成
A. 修理前の状況
  • Musical Fidelity A1 アンプの音は忘れがたいものがあります。
    最初の器はコンデンサーに問題があったのか、左右の音の 分離に不具合が出て、代理店で交換。
    交換器はセレクターが うまくつながらない(選択できない)症状が出たことと、片一方からしか音が出なくなったことなどにより使用を中止しました。
     このアンプには思い入れがありますので廃棄せず、いつか再生できる道があるのではないかという希望を抱いて、現在は納戸 で眠っております。
    もう一度、この音で音楽を聞いてみたいという気持ちが強くなり、 修理を決意。
     山登りや自動車が趣味で群馬方面に出かけることも多く、現在は 長野の岡谷市との間で月のうち2週間程度行き来しております。 上信越道を利用しておりますので、機械を直接持ち込めます。


B. 原因
  • 電解コンデンサー容量抜け、各部経年劣化。

C. 修理状況
  • 電解コンデンサー交換。
    配線手直し、補強。
    経年劣化による各部ハンダ補正。
    入力切り替えSWカップリング交換。
    整流ダイオード交換。
    RCA端子交換。
    SP端子交換(バナナ不対応金属金メッキ)。
    電源3Pインレットに交換。


P. 上ケース塗装 

D. 使用部品
  • 電解コンデンサー(オーディオコンデンサー使用)        31個。
    フイルムコンデンサー                          4個。
    タイト製のユニバーサル・カップリング                1個。
    整流ダイオード                              4個。
    RCA端子                              6組12個。
    SP端子                                2組4個。
    3Pインレットソケット                           1個


E. 調整・測定

F. 修理費  80,000円   オーバーホール修理

S. MusicalFidelity A−1. の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況
A11. 外観 前から見る。
A12. 外観 前右から見る。
A13. 外観 後から見る。
A14. 外観 後左から見る。
A15. 外観 上から見る。
A16. 点検中、 上蓋裏の放熱シリコングリス。 
A21. 外観 下から見る。
A22. 外観 下前から見る
A23. 外観 下前左から見る
A24. 外観 下後から見る
A25. 外観 下後右から見る
A31. 点検中、 上蓋を取り、清掃後上から見る。 
A32. 点検中、 清掃前トランス付近の埃。
A33. 点検中、 基板の止めネジが無い!
A34. 点検中、 基板の止めネジが無い2!
A35. 点検中、 入力切り替えSWがかなり揺れる
           カップリングも安い物で、「ユニバーサル型」でないので、この「ブレ」を吸収しない
A41. 点検中 SP接続端子と電源コード
A42. 点検中 SP接続端子。 バナナ対応SP接続端子に交換可。
A43. 点検中 SP接続端子。 バナナ不対応金属金メッキSP接続端子に交換可。ユーザーは これを選択する。
A44. 点検中 SP接続端子。 バナナ対応SP接続端子に交換可。
A45. 点検中 SP接続端子。 バナナ対応絶縁型SP接続端子に交換可。
A46. 点検中 SP接続端子、WBT製SP接続端子は定価で工賃込、下記はWBT SP端子 WBT−0730PL     
A51. 点検中 入出RCA端子郡
A52. 点検中 入出RCA端子郡、 テフロン絶縁のRCA端子と交換出来ます。
C.修理状況
C10. 修理中 基板等を取り外したシャーシ。
C11. 修理前 基板
C112. 修理中 R側終段TR(トランジスター)
C113. 修理中 L側終段TR(トランジスター)
C12. 修理後 基板 電解コンデンサー31個交換、フイルムコンデンサー9個追加。
C13. 修理前 基板裏
C14. 修理(半田補正)後 基板裏、 半田を全部やり直す。
C15. 完成基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C17. 修理中 メインVR清掃・点検、カシメ構造なので清掃のみ
           写真紛失。
C21. 修理前 AMP基板
C22. 修理後 AMP基板
C23. 修理前 AMP基板裏
C24. 修理(半田補正)後 AMP基板裏、 半田を全部やり直す。
C25. 完成AMP基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C31. 修理前 R側AMP基板
C32. 修理後 R側AMP基板
C33. 修理前 R側AMP基板裏
C34. 修理(半田補正)後 R側AMP基板裏、 半田を全部やり直す。
C35. 完成R側AMP基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C41. 修理前 L側AMP基板
C42. 修理後 L側AMP基板
C43. 修理前 L側AMP基板裏
C44. 修理(半田補正)後 L側AMP基板裏、 半田を全部やり直す。
C45. 完成L側AMP基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C51. 修理前  EQ基板
C52. 修理後  EQ基板
C53. 修理前  EQ基板裏
C54. 修理(半田補正)後  EQ基板裏、 半田を全部やり直す。
C55. 完成 EQ基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C61. 修理前  MC基板
C62. 修理後  MC基板
C63. 修理前  MC基板裏
C64. 修理(半田補正)後  MC基板裏、 半田を全部やり直す。 フイルムコンデンサー1個追加。
C65. 完成MC基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C71. 修理前 電源基板
C72. 修理後 電源基板。 電解コンデンサー4個交換、フイルムコンデンサー4個追加。
C73. 修理前 電源基板裏
C74. 修理(半田補正)後 電源基板裏、 半田を全部やり直す。 フイルムコンデンサー4個追加。
C75. 完成電源基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C81. 修理前 +側電源基板
C82. 修理後 +側電源基板
C83. 修理前 +側電源基板裏
C84. 修理(半田補正)後 +側電源基板裏、 半田を全部やり直す。
C85. 完成 +側電源基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
C91. 修理前 −側電源基板
C92. 修理後 −側電源基板
C93. 修理前 −側電源基板裏
C94. 修理(半田補正)後 −側電源基板裏、 半田を全部やり直す。
C95. 完成 −側電源基板裏 洗浄後コーテング材を塗る
CA1. 修理前 SWのカップリング、「ユニバーサル型」でないので、「ブレ」を吸収しない
CA2. 修理後、タイト製のユニバーサル・カップリングを使用。 
CA3. 修理(清掃)前 シャフトと基板取付スペンサー。
CA4. 修理(清掃)後  シャフトと基板取付スペンサー、 CRCで錆落とし後。
CB1. 修理前 入出力RCA端子
CB2. 修理(交換)後 入出力RCA端子、太いケーブルを使用出来るよう、接着材を使用する。
CB3. 修理前 入出力RCA端子裏
CB4. 修理(交換)後 入出力RCA端子裏、太いケーブルを使用出来るよう、接着材を使用する。
CC1. 修理前 SP接続端子、電源コード
CC2. 修理中 3Pインレット取り付け加工中、ポンチを打ち細いドリルで穴開け。
CC4. 修理後 SP接続端子、電源コードをインレットソケットに交換
CC5. 修理前 SP接続端子裏、電源コード裏。
CC6. 修理後 SP接続端子裏、インレットソケット裏、太いケーブルを使用出来るよう、接着材を使用する。
CC7. 修理中 トランス下絶縁シートが小さい、これではPSE法の耐電圧1000Vに耐えられるか? 厚紙を1枚追加する。
CD1. 交換部品
CD2. 交換部品。 電源ブロック電解コンデンサー、 上=交換する15000μ/25V、下=付いていた物10000μ/25V。
CE1. 修理前 上から見る
CE2. 修理後 上から見る
P. 上ケース塗装
P11. 修理(塗装)前 上ケース
P12. 修理(塗装)後 上ケース
P13. 修理(乾燥)中 炎天下にさらし、焼き付ける。
E. 測定・調整
E1. 出力・歪み率測定・調整
    「見方」。
   上段中 右側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   上段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS8202(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段中 左側SP出力を「Audio Analyzer Panasonic VP−7723B」により測定。
         表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
   下段右端 VP−7723Bの基本波除去出力を「owon SDS6062(200MHZ)」で「FFT分析」表示。
   下段左端 オーディオ発振器 VP−7201A より50Hz〜100kHzの信号を出し(歪み率=約0.003%)、ATT+分配器を通し、AMPに入力。
          よって、ダイアル設定出力レベルより低くなります。測定機器の仕様や整備の様子はこちら、「VP−7723B」「VP−7201A」。 FFT画面の見方はこちら。
E21. CD,50Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.321%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.314%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E22. CD,100Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.321%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.314%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E23. CD,500Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.284%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.287%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E24. CD,1kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.261%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.264%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E25. CD,5kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.191%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.193%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E26. CD,10kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.107%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.108%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E27. CD,50kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.0557%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.0570%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E28. CD,100kHz入力、R側SP出力電圧8V=8W、 0.25%歪み。
                   L側SP出力電圧8V=8W、 0.26%歪み。
               「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
              この当たりから、フイルターが効いてきます。
E31. MM,50Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.342%歪み。
                  L側SP出力電圧15V=28W、 0.339%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E32. MM,100Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.597%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 0.606%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=250Hz、右=1kHz。
E33. MM,500Hz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.567%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 0.576%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E34. MM,1kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.538%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.545%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=2.5kHz、右=10kHz。
E35. MM,5kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.411%歪み。
                 L側SP出力電圧15V=28W、 0.415%歪み。
             「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E36. MM,10kHz入力、R側SP出力電圧15V=28W、 0.236%歪み。
                   L側SP出力電圧15V=28W、 0.239%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=25kHz、右=100kHz。
E37. MM,50kHz入力、R側SP出力電圧14V=24.5W、 0.101%歪み。
                   L側SP出力電圧14V=24.5W、 0.109%歪み。
              「FFT分析」のオシロのカーソル周波数、左=100kHz、右=500kHz。
E4. フルパワーなので、24V高速フアンが全回転でクーリング。
E6. 完成 24時間エージング。 左は「Dynaco Mark V. 3台目」、中は「Dynaco Mark V. 4台目」。
S. MusicalFidelity A−1. の仕様(マニアル・カタログより)
型式 プリメインアンプ Musical Fidelity A1
定格出力 20W+20W(8Ω)
入力感度/インピーダンス Phono MC= 0.2mV/120Ω
Phono MM= 2mV/47kΩ
CD、Tuner、Aux、Tape= 200mV/47kΩ
RIAA偏差 30Hz〜40kHz ±0.5dB
SN比 Phono MC= 55dB以上
Phono MM= 60dB以上
CD、Tuner、Aux、Tape= 80dB以上
高調波歪率 0.5%未満(8Ω、定格出力時)
消費電力 85W(連続)
外形寸法 幅408×高さ60×奥行249mm
重量 5.5kg
価格 1984年発売、\138,000
               mfa1-c-2z
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