QUAD FM4. 3台目修理記録
2020/2/14到着   2/27完成 
A. 修理前の状況
  • 1990年頃にQUADの44と405-2を入手し現在まで日常的に使用しています。
    因みにスピーカーはハーベスのHL-MONITER MK3他です。
    その後、当時購入できなかったFM4を入手するために 20年間ほど継続してネット上の情報を集めておりましたが、
    今般、ヤフーオークションにて所有する44と同じ 「黄色+グレーボタン」のFM4を見つけ落札いたした次第です。
    購入したFM4の状態は以下の通りです。
    • プリセットした周波数が電源再投入後に維持されていない 。
      全般に感度が悪く屋内T字フィーダーで4から5コマしか上がらない 。
      ノイズがひどく音質も納得できない 。
      DIN−RCAケーブルで44のCD入力に繋ぐと左右ともに正常に出力できる。
      DIN−DINケーブルで44のRADIO入力に繋ぐとLチャンネルが出ない 。
      →このケーブルはMIDI用の為、3芯しか接続されていませんし、シールド線でもありません。
  • 以前よりFM4の修理履歴をお持ちの貴殿のHPは拝見しておりました。
    いつか入手の際にはご連絡申し上げようと考えておりました

B. 原因
  • バックアップ電池の液漏れによる基板腐食。
    電解コンデンサーの液漏れによる基板腐食。
    その他各部経年劣化。

C. 修理状況
  • RF増幅、トラッキング、IF回路、MPX回路、修理・調整。
    バックアップ電池交換。
    配線手直し、補強。
    半固定VR交換。
    電解コンデンサー交換。
    出力RCA端子取付
    定電圧IC交換。
    OP−AMP交換


K. DIN−DINケーブル点検

D. 使用部品
  • 電解コンデンサー           個。
    4.8V バックアップ電池     1個。
    半固定VR             6個。
    RCA端子             2個。
    定電圧IC             1個。
    OP−AMP            2個。

E. 調整・測定

F. 修理費   60,000円  「オーバーホール修理」

Y. ユーザー宅の設置状況

S. QUAD FM4 の仕様(マニアル・カタログより)

A. 修理前の状況
A11. 点検中 前から見る。
A12. 点検中、 前右から見る。
A13. 点検中 後から見る
A14. 点検中、 後左から見る。
A15. 点検中、 上から見る
A16. 点検中 ケースを取り、上から見る
A17. 点検中 ケース・シールドを取り、上から見る
A21. 点検中、 下前から見る。
A22. 点検中、 下前左から見る。
A23. 点検中、 下後から見る。
A24. 点検中、 下後右から見る。
A25. 点検中、 下から見る。
A252. 点検中、 ハーマンの商標。
A26. 点検中 ケースを取り、下から見る
A27. 点検中 ケース・シールドを取り、下から見る
A31. 点検中 メインダイヤル。 回転が固いので外して点検。
A41. 点検中 DIN出力端子。
A42. 点検中 出力RCA端子が増設可能。
A51. 点検中 AMP基板の電解コンデンサーの液漏れ。
61. 点検中. CPU&LCD表示基板。電解コンデンサーとバッテリーの液漏れ。
C. 修理状況
C11. 修理前 電源基板。
C112. 修理中 電源基板。 定電圧ICは電源シールド板に取り付ける。
C12. 修理後 電源基板。 定電圧IC1個、電解コンデンサ−3個、フイルムコンデンサー1個交換。
C13. 修理前 電源基板裏。
C14. 修理(半田補正)後 電源基板裏。 半田を全部やり直す。セラミックコンデンサー3個追加。
C15. 完成電源基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C21. 修理前 AMP基板。
C22. 修理後 AMP基板。
C23. 修理前 AMP基板裏。
C24. 修理(半田補正)後 AMP基板裏。 半田を全部やり直す。
C25. 完成AMP基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C26. 修理前 AMP基板の電解コンデンサーの液漏れ。
C27. 修理中 AMP基板の電解コンデンサーの液漏れ。サビを落とし、洗浄後防湿材を塗る。
C28. 完成AMP基板の電解コンデンサーの液漏れ。
C29. 修理前 AMP基板裏の電解コンデンサーの液漏れ。
C2A. 修理後 AMP基板裏の電解コンデンサーの液漏れ。
C31. 修理前 PLL(局発)基板。
C32. 修理後 PLL(局発)基板。
C33. 修理前 PLL(局発)基板裏。
C34. 修理(半田補正)後 PLL(局発)基板裏。 半田を全部やり直す。
C35. 完成PLL(局発)基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C41. 修理前 CPU&LCD表示基板。
C42. 修理後 CPU&LCD表示表示基板。
C43. 修理前 CPU&LCD表示基板裏。
C44. 修理(半田補正)後 CPU&LCD基板裏。 半田を全部やり直す。
C45. 完成LCPU&LCD表示基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C46. 修理前 CPU&LCD表示基板。電解コンデンサーとバッテリーの液漏れ。
C47. 修理中 CPU&LCD表示基板。電解コンデンサーとバッテリーの液漏れ。
C48. 修理後 CPU&LCD表示基板の電解コンデンサーとバッテリーの液漏れ。
C49. 修理前 CPU&LCD表示基板裏。電解コンデンサーとバッテリーの液漏れ。
C4A. 修理後 CPU&LCD表示基板裏。電解コンデンサーとバッテリーの液漏れ。
C51. 修理前 SW・LED表示基板。
C53. 修理前 SW・LED表示基板裏。
C54. 修理(半田補正)後 SW・LED表示基板裏。 半田を全部やり直す。
C55. 完成SW・LED表示基板裏、 洗浄後防湿材を塗る。
C61. 修理中 パネル清掃
C62. 修理中 同調ツマミ。 フエルトを張、適当なフリクションを得る。
C71. 修理前 DIN出力端子
C72. 修理前 出力RCA端子を増設。
C8. 交換部品
C91. 修理前 上から見る。
C92. 修理後 上から見る。
C93. 修理前 下から見る。
C94. 修理中 下から見る。
C95. 修理後 下から見る。、洗浄後
K. DIN−DINケーブル点検。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
        ユーザーが購入したケーブル、オーディオ用では無くMIDI用です。
オーディオ用はセンターピン(3番)がアースで、他全てがシールド線でそれぞれ接続されています(1−1,2−2,4−4,5−5)。
E. 測定・調整。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
E0. FM受信感度、歪み、分離度測定調整
     <見方>
上の「LEADER 3216P FM ステレオ信号発信器」より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
     表示LED、 左端=変調度、 中左=メモリNo、 中右=出力周波数、 右端=出力レベル。
中=R出力測定。
     「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
     表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
下=L出力測定。
     「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
     表示LED、 左端=メモリーNo、 中左=周波数測定、 中右=出力電圧測定、 右端=歪み率測定。
E01. 75/50Ω変換アダプター。 無線機器のプロ器は、インピーダンスが50Ω。 民生機器は75Ω。
    これを挿入しているので、「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」の信号出力は−5.7dB低くなる。
E1. FMトラッキング調整。 下限受信周波数75.55MHZ。
E2. FMトラッキング調整。 上限受信周波数91.10MHZ。
E3. FM モノラル受信測定。
     <見方>
中上の「LEADER 3216P FM信号発信器」より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
        変調度=80%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
中下=R出力測定。
        「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
        変調周波数=1kHz、 出力電圧=170.6mV、 歪み率=0.1683%。
下=L出力測定。
        「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
        変調周波数=1kHz、 出力電圧=164.7mV、 歪み率=0.1700%。
E4. FM ステレオ受信測定。
     <見方>
中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」 より信号を出す。 これを受信し出力を測定する。
         これを受信し出力を測定する。
         変調度=80%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=345.3mV、 歪み率=0.155%。
下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=1333.4mV、 歪み率=0.4173。
E41. FM ステレオ受信測定(分離度)。Log342.9/4=38.6dB。
     <見方>
中上の「LEADER 3216P FMステレオ信号発信器」より「R側信号」を出す。
         これを受信し出力を測定する。
         変調度=90%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=342.9mV、 歪み率=0.297%。
下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=4.0mV、 歪み率=測定不可。
E42. FM ステレオ受信測定(分離度)。Log335.8/1.5=47.0dB。
     <見方>
中上の「LEADER 3216P FM ステレオ信号発信器」より「L側信号」を出す。
         これを受信し出力を測定する。
         変調度=90%、 出力周波数=83MHZ、 出力レベル=60dB。
中下=R出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=1.5mV、 歪み率=測定不可。
下=L出力測定。
         「Audio Analyzer Panasonic VP−7723A」より測定。
         変調周波数=1kHz、 出力電圧=335.8mV、 歪み率=0.284%。
E51. 帯域測定。 Spectrum analyzer RIGOL DS815で測定。
E52. セラミックフイルターです。
E6.  24時間エージング。 右は QUAD FM4. 2台目です。
Y. ユーザー宅の設置状況。 画像をクリックすると、大きく(横幅2050ドット)表示されます。
Y1. 設置状況、 正面から見る。
Y2. 設置状況、 拡大。
S. QUAD FM4 の仕様(マニアル・カタログより)
型式 FMチューナー FM4
受信周波数 76Hz〜90MHz
感度 mono=1μV/1.2dBf(30dB時)、2.7μV/10dBf(50dB時)
stereo=25μV/29dBf
SN比 mono=76dB、stereo=70dB
歪率 mono=0.05%、stereo=0.1%
選択度 53dB
キャプチャレシオ 1.5dB
IF妨害比 100dB
AM抑圧比 60dB
イメージ妨害比 80dB
パイロットトーン抑圧比 60dB
クロストーク 40dB(1kHz)
周波数特性 20Hz〜15kHz +0dB -1dB
出力レベル 100mV(30%変調)
ソースインピーダンス 100Ω
最適負荷抵抗 20kΩ以上
アンテナ入力 75Ωアンバランス
電源入力 AC100〜125V/200〜250V、50Hz/60Hz
外形寸法 幅321x高さ64x奥行207mm
重量 3kg
別売ウッドケース 34/FM4共通スリーブ(¥19,500)
外形寸法 幅342x高さ84x奥行198mm
板厚 10mm
価格 1982年発売 ¥198,000(1986年頃)
                      fm-4_31z
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