Vacuum Tube Tester Hickok TV−7(*)/U 改造方針
Hickok TV−7(*)/Uは電源トランスが1個しか無いので、各電圧の変動が大きい。
各社の出版している真空管規格表の測定電圧と異なり、プレート供給電圧「Ep=170V」、スクリーン電圧供給「Esg=130V」、Gm測定信号電圧「AC5V、1V、0.5Vを選択使用」 固定ですが、安定化されておらず、測定時の電圧は、真空管によって変動する(調節は不可)。 よって、Gm測定の精度向上には限界がある。使用電圧が異なれば、Gmも変化する。
現在、各国で製造されている真空管の規格は、TV−7が製造された時代とは、かなりの誤差がある。 TV−7のチャートの信頼性が欠ける。

「第1段階 改造方針」。
 A. 電源コードを交換する。
 B. 「整流管83」、「整流管5Y3」をダイオードに交換、 以下の改造・調整が必要です。
  • 1.Filament Voltage=トランス1次電圧=93Vに調整して(以下同じ)、電圧の確認する。
    2.Plate Voltage=ゼナーダイオード+ダイオード挿入。
    3.Screen Voltage=「DC130V」、以下の様にブリダー抵抗を挿入して、130V確定、56Vも「R130」のタップ調整   でOK。
    4.Grid Bias Voltage=「R130」のタップ調整でOK。
    5.Grid Signal Voltage=「AC5V」、トランス巻き線端子「14」と抵抗「R120」の間にブリーダ抵抗挿入。
    6.Rectifirt Test Voltage AC35V=抵抗「R106」とダイオード挿入。
    7.Short Test Voltage=抵抗「R47」の調整。
    8.Gas Test Voltage=抵抗「R119」の調整。
    9.メータに、保護ダイオード取り付け。
    10.純正のヒューズランプ(6.5V/6.63W)では、大きすぎますので、(12V/10W)が良いです。
      以上を確定後、Hickok Model TV7D/UのCalibrationに入る。
 以上 平成21年5月31日完成。
 次回改造予定項目。

「第2段階 改造方針」。
 「整流管83」、「整流管5Y3」をダイオードに交換し、PlateVoltageを定電圧ダイオード+抵抗で「整流管83」に近づけても、
 トランスのレギュレーションが悪く、他の電圧が上昇してしまいます。
  • C.高プレート電流の時、の電圧降下の改良。
      最近主流の高出力真空管「KT88」の様に、高プレート電流の時、電圧降下を改良する。
      併せて、電池管や低プレート電圧時に、電圧が高くなるのを改善する。
    C1.プレート電圧の安定化。
       「整流管83」、「整流管5Y3」をダイオードに交換するので、ヒータ電力(15W+12W)が浮くのでこれを考慮する。
    C2.スクリーン電圧の安定化。

メーター指示の相互コンダクタンス換算票。

V. 「BAIAS目盛」 と「バイアス電圧」の関係
V1. TV−7の「BAIAS目盛」と 実際の「バイアス電圧」の関係。100目盛=40V、22目盛=3V、0目盛=0Vが規定値。
     これに近づく様に、ツマミの位置を調整する。
目盛 100 95 90 85 80 75 70 65 60 55 50 45 40 35 30 25 22 20 15 10
1台目 40 38.8 35.3 31.6 28.9 26.4 23.6 20.9 18.5 15.8 13.9 12.0 9.6 7.4 5.6 3.6 3.2 2.9 2.0 0.7 0.1 0
2台目 40 39.3 36.3 32.4 29.3 26.4 24.0 21.5 18.9 16.2 13.9 11.6 9.4 7.3 5.3 3.4 3.0 2.7 1.9 0.7 0.1 0
3台目 40 38.7 35.0 31.8 28.8 25.9 23.2 20.7 17.9 15.5 13.5 11.4 9.3 7.2 5.2 3.5 3.0 2.7 1.8 0.8 0.1 0
平均電圧 40 39.1 36.0 32.0 29.0 26.4 23.8 21.3 18.7 16.0 13.9 11.8 9.5 7.4 5.5 3.5 3.0 2.8 2.0 0.7 0.1 0
V2. 修理中. BAIAS−VRのツマミ100目盛りで、−40VになるようLineAdjustVRを調整する。
V3. 修理中. BAIAS−VRのツマミ22目盛りで、−3VになるようLineAdjustVRを調整する。
V4. 修理中。 BAIAS−VRの軸は下の写真の様に円形で、ツマミは自由な位置に固定出来る。
V5. 修理中. BAIAS−VRのツマミ0目盛りで、0.0Vを確認。
V6. 修理(調整)後、TV−7の「BAIAS目盛」と 実際の「バイアス電圧」の関係。
目盛 100 95 90 85 80 75 70 65 60 55 50 45 40 35 30 25 22 20 15 10
1台目 40 38.8 35.3 31.6 28.9 26.4 23.6 20.9 18.5 15.8 13.9 12.0 9.6 7.4 5.6 3.6 3.2 2.9 2.0 0.7 0.1 0
2台目 40 39.3 36.3 32.4 29.3 26.4 24.0 21.5 18.9 16.2 13.9 11.6 9.4 7.3 5.3 3.4 3.0 2.7 1.9 0.7 0.1 0
3台目 40 38.7 35.0 31.8 28.8 25.9 23.2 20.7 17.9 15.5 13.5 11.4 9.3 7.2 5.2 3.5 3.0 2.7 1.8 0.8 0.1 0
平均電圧 40 39.1 36.0 32.0 29.0 26.4 23.8 21.3 18.7 16.0 13.9 11.8 9.5 7.4 5.5 3.5 3.0 2.8 2.0 0.7 0.1 0
C. 高プレート電流の時、の電圧降下の改良。
C1. プレート電圧の安定化、プレート巻き線にゼナーダイオードを挿入。
   設定
   整流出力が150Vに設定する。 無負荷時ゼナーダイオードには20〜30mAを流す。
   整流出力が145Vにて、ゼナーダイオードには0にする。
C2. スクリーン電圧の安定化、スクリーン巻き線にゼナーダイオードを挿入。
   設定
   整流出力が130Vに設定する。 無負荷時ゼナーダイオードには5〜10mAを流す。
   整流出力が120Vにて、ゼナーダイオードには0にする。
メーター指示の相互コンダクタンス換算票。
メーター指示 レンジB
×25
レンジC
×50
レンジD
×125
レンジE
×250
10 250 500 1250 2500
20 500 1000 2500 5000
30 750 1500 3750 7500
40 1000 2000 5000 10000
50 1250 2500 6250 12500
60 1500 3000 7500 15000
70 1750 3500 8750 17500
80 2000 4000 10000 20000
90 2250 4500 11250 22500
100 2500 5000 12500 25000
110 2750 5500 13750 27500
120 3000 6000 15000 30000
                      tv-7-0
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